肛門や大腸の病気と症状

肛門や大腸の病気のおもな症状は、出血、痛み、出っ張り、腫れ(シコリ)、かゆみ、残便感(便が出きらない感じ)、下痢、便秘、腹痛です。症状から病気を予想すると、次のような“疑”があります。あくまで“疑”ですので、詳しくは専門医を受診してください。

「出血」があり

“痛み”(排便時や排便後の痛み)がある →《裂肛》
“出っ張り”があり、痛みがない →《内痔核》
“シコリ”があり、数日~1週間くらい以前に“痛み”があった  →《血栓性外痔核》
“残便感”があり、痛みがない、50才前後以上 →《下部(肛門付近)直腸ポリープ・直腸癌》
“下痢”や“腹痛”がある →《炎症性腸疾患》
“下痢”あるいは“便秘”と“腹痛”があり、50才前後以上 →《大腸癌》
ほかに症状がなく、50才前後以上  →《上部(肛門から離れた)直腸ポリープ、直腸癌、S状結腸ポリープ、S状結腸癌》

「痛み」があり

“便が硬く”てかなり痛むが、痛みは排便時、あるいは排便後のみ →《裂肛》
“腫れ”があり、排便に関連なくひどく痛み、ふだん下痢ぎみ →《痔瘻の始まり(肛門周囲膿瘍)》
腫れはないが、排便に関連なく痛み、ふだん下痢ぎみ、ひどく重苦しい痛み →《痔瘻の始まり(直腸周囲膿瘍)》
急な“腫れ”があり、肛門から硬く大きくとび出ている、ひどく痛い →《嵌頓痔核》
急な“腫れ”があり、腫れは直径5mm~2cmくらい →《血栓性外痔核》
ひどい痛みではないが、長期間の“腫れ”があり、肛門に硬く触れ、しだいに大きくなってきている →《肛門癌》
夜間とか、冷たいところに座った時に、肛門の奥の方で鈍痛が起こり、ほかの症状がない。入浴で改善する  →《肛門括約筋の痛みといわれている》

「出っ張り」があり

排便時にとび出る、痛みは少ないか、あるいはまったくない →《内痔核、肥大乳頭》
いつも出っ張っている、痛みはない →《外痔核、皮垂(皮膚のたるみ)》
急に出っ張ってきて、直径5mm~2cmくらいのもので痛い →《血栓性外痔核》
いつも出っ張っていて“しだいに大きくなってきて”、“痛み”もある →《肛門癌》

腫れ

急な“腫れ”があり、ひどく痛い。ふだん下痢ぎみ →《痔瘻の始まり、肛門周囲膿瘍》

かゆみ

“かゆみ”の原因としておもなものは →《アレルギー性皮膚炎》
→《石けんによる皮膚炎》
→《真菌性の皮膚炎》

残便感

“出血”があり、便柱変形(便が細くなったり、便に溝ができる)

50才前後以上 →《直腸ポリープ、直腸癌》
→《痔核、肥大乳頭》
排便時間がいつも長い(10~30分以上) →《直腸粘膜脱症候群》

下痢

急な下痢 →《炎症性腸疾患》
“出血”や“粘液”がある →《潰瘍性大腸炎、クローン病、赤痢、出血性大腸炎》
一般的な整腸剤や下痢止めで治らない →《潰瘍性大腸炎、クローン病》
“下痢”と“便秘”を繰り返す。20才~40才まで →《過敏性腸症候群》
“下痢”と“便秘”を繰り返し、おなかが張る(腹部膨満)。50才前後以上  →《大腸癌》

(注意)下痢がある場合、以下のような状況が1つでもあれば早く受診する必要があります。

    • 水のような下痢
    • 出血がある
    • 腹痛がある
    • 便秘もあり50才前後以上

便秘

慢性便秘がほとんどですが、50才前後に急に起こった便秘は要注意。
早期に専門医を受診してください。大腸癌の恐れがあります。

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